待ち時間

「待ち時間」

ホームの椅子に腰をかけた。

電車を待つ時間だった。

時間がゆっくりと流れて、こんな感覚を味わうのは初めてかも知れない。

これも病気になってから初めての時間の味わい方。

味わい方と言うよりかは、時間の使い方。

時間がとてもゆっくりと流れてゆく。

なんかとても初々しい。

いつもはとてもせせこましく時が過ぎてゆく感じで

人は時間を気にし、時間に左右されている。

今の1秒は病気になる前の感じ方と違う。

とても長く感じる、といった方がわかりやすいかも知れない。

なんでこの時間の使い方をしなかったのだろうか？

そして知らなかったのだろうか？

もったいない40年を過ごしてしまった。

そう思いながら駅のベンチに座って今までを振り返った。

いつもなんか忙しかったなーって。

べつに悪い事ばかりでは無かったが、もっと有意義な時間の使い方が出来たかもと。

でも過ぎた事は仕方がないから、これからの生き方をどうするかだ。

そんな事を考えていたら電車がきてしまった。

でも今の人生、とても満足！

今はそう思える。

病気になって、そう思えるまでには時間はかかったけどね！

でも病気にならなかったら、一生本当の自分を知ることは出来なかったかもしれない。

「ラッキー」かな。

今はそう思う！

「待ち時間」これは到達点には少し遅くなってしまうかもしれないけど、

意味が沢山詰まっていると僕は思う。

人生でとても大事な時間かな。

「待ち時間」